アトピー性皮膚炎を治そうーその7 入浴療法−

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入浴療法

この療法は主に以下の仮説により成り立っている。

1. アトピーは皮膚とアレルゲンとの接触により炎症が発生する病気である

2. 炎症は普通時間が経てば自然に治るが、アトピーのほとんどの場合
ある炎症が治っていくうちに他の部位でアレルゲンとの接触が起こり
新しく炎症が出来てしまう、という流れで炎症が慢性化している

3. 故にアレルゲンとの接触を断てば新しく炎症が出来ることはなく、
2.の自然治癒により炎症はいずれなくなる

  4. アレルゲンのうち皮膚に接触するものは、ほこりなどのハウスダスト
   とダニまたはその死骸の二つである

  5. この二つは空気中には多く存在するが、風呂の湯船においては
   表面張力により水面に張り付いてしまい、水中にはほとんど存在しない

このうち3.は、無菌室にいることで炎症が消えることから証明されている。
(但し、再びアレルゲンと接触すれば炎症がまた起こることも意味する)

これらのことから考えられる最も最適な入浴方法は、

* 炎症部位を水中に浸けておくこと

* 出来るだけ長い時間水に浸かっていること

である。但し、水の質の問題に関わる補足事項がある。

補足事項は以下の仮説により成り立っている。

1. 水そのものの質が悪い場合、逆に皮膚を傷つけてアレルゲン
   侵入を許しやすくなり、結果的に炎症が増えることがある

2. 特に水道水に多く含まれている塩素は皮膚を傷つけ、また皮膚の
   バリア機能の一部を担っている有用な常在細菌を殺してしまう

3. 塩素は、ビタミンCと反応させて除去することが出来る。
   反応式はC6H8O6 + NaClO → C6H6O6 + H2O + NaCl である

このうち、3.はビタミンC(普通のサイズの風呂桶に対し500mg程度のビタミンCという比率)
やチオ硫酸ナトリウム(ハイポ)によって除去できる
(入浴用脱塩素剤としての無水チオ硫酸ナトリウム粉末も市販されている)。
また活性炭によっても除去できるとされている。

これらの仮説から、

* 水道水よりは、井戸水や純粋な温泉水など塩素の含まれていない水で
   風呂を焚いた方がよい

* 水道水を使う場合は、ビタミンCなどを使い塩素を除去する必要がある

という補足事項が導かれる。

また、症状の重い人では血行が良くなるほど痒みも増すため、長時間入っているには

* 熱いお湯よりはぬるま湯の方がよい

という実践上のコツもある。

皮膚炎がアレルゲンとの接触によってのみ増悪しているものとの立場に立てば、
理論上、この療法を補足事項を含めて忠実に実行することで必ず炎症が減る
ことになり、手間やコストの面で他の方法に較べて手軽に試せるためか、
ネット上では多くの「成功例」を目にする。

極めて重症の場合、あまりの痒みに風呂でしか寝られないという人もいる。

ただし、入浴によって皮膚が乾燥してしまう人で尚かつ症状が軽い場合、
炎症が減っても乾燥による痒みによって元の痒さを上回ってしまうことも
考えられるため、注意が必要である。

また、長時間に入浴によって皮膚がふやけ、患部の表皮が剥がれ落ちて
失われたり、ふやけた皮膚で細菌が繁殖したりして、かえって症状が
増悪する場合がある。

さらに最近では「病変部の皮膚表面からアレルゲンが進入して増悪する」
という説自体にも異議が提示されており、入浴療法の根拠そのものを疑う
声もある。

それでも症状の改善が見られる理由としては、入浴という行為そのものが
持っているリラクゼーション効果によるストレス低減などが考えられる。

なお、脱塩素剤としては昔からハイポが多く用いられてきたが
(淡水魚の飼育に関連して学校の授業にも登場する)、アトピー関連で
ビタミンCが多く用いられている理由としては、

* 入浴用のハイポは流通経路が限られているのに対してビタミンCは
   栄養補助食品として比較的容易に入手できること

* 「ビタミンC」という言葉の響きが「健康によさそう」という印象を与えやすい
   こと(逆に「食品添加物」という言葉からは負の印象を受けやすいが、
   実際にはビタミンCも食品添加物として広く使われており、
   先入観というものの危うさを示している)

などが考えられる。

参照:Wikipedia

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